青髪ヒロインはなぜ負けるのか?
『ダーリン・イン・ザ・フランキス』が熱い。
なかでも、主人公ヒロの幼馴染のイチゴの、負けヒロイン斯くあるべし、と言わんばかりの行動が素晴らしい。負けヒロインの教科書に載せたいくらいだ。
『ダリフラ』でのイチゴや、『あの夏で待ってる』の柑菜ちゃん、『魔法少女まどか☆マギカ』のさやかなど、青髪の少女たちは「負ける」という印象が強い。
青髪ヒロインが負けることで有名ないくつかの作品を、敗北理由と共に探ってみることにした。
タイプ:「遅れてきた」ヒロイン
『とらドラ!』
青髪ヒロイン:川嶋亜美
『ゼロの使い魔』
青髪ヒロイン:タバサ
『Re:ゼロから始める異世界生活』
青髪ヒロイン:レム
ラノベ原作の青髪ヒロインの代表格である亜美・タバサ。そして、近年人気のある『リゼロ』からレム。
彼女たちの敗北理由は「遅れた」ことだ。
彼女たちの出番が来る頃には、すでにメインヒロインは決まっていたために負けてしまう。
解決策としては、ゲーム化や外伝小説でIfルートを作ってもらうことだろう。
タイプ:幼馴染ヒロイン
『魔法少女まどか☆マギカ』
青髪ヒロイン:美樹さやか
『あの夏で待ってる』
青髪ヒロイン:谷川柑菜
『ダーリン・イン・ザ・フランキス』
青髪ヒロイン:イチゴ
彼女たちが負けた理由は「幼馴染だから」だ。
幼馴染ヒロインは、「私が(恋愛対象として)好きなんだから向こうも(恋愛対象として)好きだろう」という誤解のために敗北する。
「ずっと一緒にいたからといって、恋愛対象として好きになるとは限らない」という簡単なことを、彼女たち自身の経験からだけでは得られないために。
長い間一緒にいたから好意が肥大したのに、そのためにリードを活かせずぽっと出ヒロインに負けるとは、なんたる悲劇だろう。
負けた理由によって2タイプに分類したが、この分類からも分かるように、青髪だから負けるわけではないのだ*1。そして、この2つの分類も「ボーイ・ミーツ・ガールの少女になれなかったから」という一言に集約することができる。
まあ、ボーイ・ミーツ・ガールの少女になっても、勝てるわけではないのだが(『この素晴らしい世界に祝福を!』のアクア、『神のみぞ知るセカイ』のエルシィなど)。
最後に、特殊な立ち位置である彼女についても書いておきたい。
それは、『新世紀エヴァンゲリオン』の青髪ヒロイン・綾波レイだ。
レイは負けヒロインと言うより、勝ってはいけないヒロインであった。
それは、彼女が主人公シンジの母である碇ユイの遺伝子を持っているからである。
レイとシンジが結ばれることは、一種の近親相姦という問題だけではない。それは母体への回帰であり、つまりは摂理への叛逆だ。
実際、新劇場版ではシンジがレイを求めたことのために、サードインパクトが起きた。
最終回の「母にありがとう 父にさようなら そして、全ての子供達に おめでとう」という言葉からしても、レイと結ばれることはありえないのだ。
それはそうと、シン・エヴァンゲリオンはまだでしょうか。
*1:幼馴染負けヒロインでいえば、たとえば『冴えない彼女の育てかた』の澤村・スペンサー・英梨々は金髪だ