『SELECTION PROJECT』10話感想――クソゲーから降りろ!
『SELECTION PROJECT』9話までのあらすじ
第7シーズンを迎えた大人気アイドルオーディションリアリティーショー「SELECTION PROJECT」。全国9つの地区予選を勝ち抜いた9人の少女たちは、誰一人欠けることなく本戦オーディションの課題審査を次々にクリアしていた。
そんな彼女たち9人に発表された最終審査の課題は、7名でのオリジナル曲の披露。
――脱落する2名は、メンバー間投票によって決定する。
夢を叶えるために
二次元アイドルたちは競争を強いられている。
たった一組(一人)の頂点を決めるオーディションや大会へ参加させられたり、あるいは(メタ的には)ユーザー・読者の投票によって他のアイドルと出番を奪い合ったり。
本作『SELECTION PROJECT』のキャッチコピー「戦え、夢を叶えるために。」から、『仮面ライダー龍騎』の「戦わなければ生き残れない」を想起するのは難しいことではない。
彼女たちにとってのアイドル活動とは、『龍騎』におけるライダーバトル、『Fate』シリーズにおける聖杯戦争と同質のものだ。
しかし、戦いを止めることすら戦う動機へと還元させられたゼロ年代は、とっくに終わった。
そう、理不尽なゲームからは降りてもいいのだ。
『SELECTION PROJECT』の9人の少女たちは、示し合わせるでもなく(もっともルールで禁じられていたが)それを実践した。
オーディションを失格になった彼女たちは、セルフプロデュースのアイドルグループ9-tieを結成する――戦わなくとも、夢を叶えるために。
本作は10話で綺麗にまとまったので、11話以降は観なくてよい。